「Watermark」という1語で審査に落ちた——ToVue の課金アイテムが Guideline 5 で却下された話
ToVue は、iPhone・iPad の 3D マップをドローンのように飛べるアプリです。無料版では、撮った写真や動画の隅に、ToVue の小さなロゴが入ります。買い切りの課金(¥480)で、広告と、このロゴを消せます。
最初のバージョン(1.0.0)を審査に出したところ、アプリと課金アイテムが、課金アイテムの名前の1語が原因で却下されました。
何が起きたか
課金アイテムの名前は、英語で「Remove Ads & Watermark」(広告とウォーターマークを削除)にしていました。ここでいうウォーターマークは、ToVue 自身が、自分で描いた地図の画像に入れている ToVue のロゴのことです。
ところが審査では、これが「写真や動画のウォーターマーク(透かし)を消す機能」と受け取られました。一般的に「ウォーターマークを消す」というと、他人の画像に入っている透かしを消す、という意味にも読めます。権利の問題につながりうる機能として、Guideline 5(法的な事項)にかかるという判断でした。
ToVue は、外部の写真や動画を読み込んだり編集したりする機能を一切持っていません。ロゴを入れるのも外すのも、ToVue が自分で描いた画面だけです。ただ、それは言葉からは伝わっていなかったことになります。
直したこと:「ウォーターマーク」を「ToVue ロゴ」に
利用者の目に触れる「ウォーターマーク」という言葉を、すべて「ToVue ロゴ」に変えました。
- アプリ内の文言(11言語)
- 利用規約・プライバシーポリシー
- App Store の説明文
- 課金アイテムの名前と説明(「広告と ToVue ロゴを削除」)
あわせて、審査メモに次のことをはっきり書きました。
- ロゴは、ToVue が自分で描いた画面にだけ入れている、ToVue 自身の小さなマークであること
- 購入していない状態でロゴをオフにしようとすると、購入画面が開き、ロゴはオンのままになること
- アプリは、外部の写真や動画を読み込んだり編集したりできないこと
却下された課金アイテムは、直せなかった
ここでもう1つ困ったのが、却下された課金アイテムが、編集も削除もできなかったことです。名前を直して出し直したくても、その課金アイテムは「却下」の状態のまま変えられませんでした。
結局、新しい製品 ID で課金アイテムを作り直し、アプリの側もその新しい ID を使うように変えて、アプリと一緒に審査に出し直しました。古い課金アイテムは、却下の状態のまま使わずに残っています。
製品 ID は、アプリのコードと App Store Connect の両方に書く識別子なので、途中で変えるとアプリの更新が必要になります。課金アイテムの名前は最初から慎重に決めたほうがいい、というのが一番の教訓でした。
結果
言葉を直したアプリと新しい課金アイテムを再提出し、翌日にどちらも承認されました。
まとめ
- 機能の名前は、審査する人が最悪の意味に読む可能性を考えて決める
- 「ウォーターマークを消す」は、他人の透かしを消す機能と受け取られうる。自分のロゴなら「〇〇ロゴ」と書く
- 却下された課金アイテムは、編集も削除もできないことがある。その場合は新しい製品 ID で作り直す
- 誤解されそうな機能は、審査メモで「何をしないか」まで書いておく
ToVue は App Store で公開しています。